Books & JAZZ –
ミュージシャンの中に生きるコトバに触れる
図書・情報館1階の展示エリアで7回目の開催となる「ジャズライブラリー」では、今年もシアタージャズライプの出演者たちが影響を受けた本を展示し、ミュージシャン達の中に生きる言葉に触れる企画を行います。また、今年のサッポロシティジャズのテーマ「GROOVE!」にちなみ、「What Song Makes You Groove?(あなたをグルーヴさせる1曲は?)」という参加型企画も行います。
あなたの1曲を付箋に書いてレコード型のボードに貼って教えてください!
札幌市図書・情報館
『はたらくをらくにする。』をコンセプトに掲げる大人のための公共図書館。WORK(仕事に役立つ)/LIFE(暮らしを助ける)/ART(芸術に触れる)の大きな3つのテーマで本を取り揃えています。本の貸出は行っておらず、本を使った調べものをしながらコワーキングスペースとして利用できる知的空間。
公式HP
土日 10:00~18:00
『ブルー ノート レコード 妥協なき表現の軌跡』
リチャード・ヘイヴァーズ/著(ヤマハミュージックメディア)
『ジャズの「ノリ」を科学する』井上裕章/著(アルテスパブリッシング)
『マンガで学ぶジャズ教養』後藤雅洋/監修(扶桑社)
『20世紀ジャズ名盤』大谷能生/著(イースト・プレス)
シアタージャズライブ出演アーティストによるお薦め本紹介!
ジャズの魅力を目で伝えるジャズライブラリー。
シアタージャズライブに出演するミュージシャンが影響を受けた本や著作本を、その言葉と共にご紹介します。
シアタージャズライブに出演するミュージシャンが影響を受けた本や著作本を、その言葉と共にご紹介します。
TENORS IN CHAOS 陸悠
『スター』 朝井リョウ/著 朝日新聞出版
コメント表現したいことを発信する方法が多様化する今を、全く異なる角度で生きるふたりの物語。
主人公のふたりは新人の登竜門となる映画祭でグランプリを取り、大学卒業後、ひとりは名監督に弟子入り、ひとりはYouTubeでの配信という道を選びます。
発信側も受け取り手も異なる世界で、それぞれにとって良いと思うものも違うし、評価される物差しも違います。
音楽業界にも投影できるような、考えさせられる物語でした。
TENORS IN CHAOS 西口明宏
『自分を信じた100人の男の子の物語』 ベン・ブルックス/著 河出書房新社 (2019/4/16)
コメントこの本には、自分を信じて世界を変えた男の子たちの物語が詰まっています。心の内なる声に耳を傾け、ありのままの自分でいることは、時に大きな勇気を必要とします。improviserとしてどう生きるか、強い意志と自分の可能性を信じた主人公たちの姿から、読むたびに勇気をもらえる一冊です。今、僕が特に気になる主人公はイクバル・マシーです。ぜひ、皆さんも読んでみてください!
TENORS IN CHAOS 馬場智章
『BLUE GIANT』 石塚真一/著
コメント僕が沢山の皆様に知っていただけるようになった大きなきっかけとなった作品です。
ミュージシャンの描写はもちろんですが、彼らを支える沢山のファンの皆さんや周りの皆さんの描写に僕は胸を打たれました。
僕がこうして音楽を続けられるのもそうした皆さんのおかげだと改めて実感しております。
小学生の時からお世話になっているスタッフの皆さんと、一緒のステージを作ることができてとても嬉しく思います。皆様いつもありがとうございます!会場にてお待ちしております!
BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO エリック・ミヤシロ
『完本マイルス・デイビス自叙伝』 マイルス・デイビス、クインシー・トループ/著 (宝島社)
コメントトランペッターとしてだけではなく、幾つもの時代の音楽と芸術に深く、影響を残した大きな存在のマイルス本人が書いたこの自叙伝はジャズファンだけのものでは無く多くの音楽ファンにとっても興味深い内容の本です。
曽根麻央 Brightness of the Lives 曽根麻央
『火の鳥』 手塚治虫/著 朝日新聞出版
コメント一つの命題に主軸を置きつつも、各章が小編としても成り立っている構築の仕方が、小品を書きつつ組曲として全体の統一を図る近年の自分の作品の作り方と似ている気がしていて、そういった影響を受けた作品かなと思います。
小学生の頃からの愛読書です。
山中千尋トリオ 山中千尋
『わたしのいるところ』 ジュンパ・ラヒリ/著、中嶋浩郎/訳 (新潮社)
コメントジュンパ・ラヒリの文章のように、しなやかで奔放に音楽を奏でられたら、といつもピアノに向き合います。音楽と言葉を往復する幸せを、改めてこの本が教えてくれました。言葉や音との出会いにときめく、読書とジャズはとても親しいと私は感じるのです。言葉と音が一緒になると歌が生まれます。
GENTLE FOREST JAZZ BAND
『ジャズ 1930年代(ジャズ・マスターズ・シリーズ)』 レックス・スチュワート/著 草思社 (1998/12/10)
コメントデューク・エリントン楽団のメンバーであり、トランペットでのハーフバルブ奏法の産みの親、レックス・スチュワートが、ジャズ創成期に交友した個性あふれるレジェンド達とのエピソードが詰め込まれた、貴重な一冊です。
GENTLE FOREST JAZZ BAND
『人を動かす』D・カーネギー/著 創元社 (2023/9/6)
コメント個性あふれるミュージシャンが集まるビッグバンドは、まさに社会の縮図。
1人1人の個性を活かしながらも、バンドの道筋を決めてゆくのは結構大変です。この本には、人と人とが協力して何かを成し遂げる秘策が満載です。
GENTLE FOREST JAZZ BAND
『AMETORA』デーヴィッド・マークス/著 DU BOOKS (2017/8/18)
コメント戦後、ジャズはもちろん洋食、家具家電など、日本人はアメリカへの憧れを持ち前の真面目さと探求心、そして想像力で文化にまで発展させてきました。そんな様子を洋服の視点から探った一冊。日本の心は素晴らしいんですよ。
寺井尚子カルテット
『スクエア・アンド・タワー』ニーアル・ファーガソン/著 東洋経済新報社 (2019/12/6)
コメントNHK BSスペシャル「欲望の資本主義」で出会ったのがきっかけでニーアル・ファーガソンさんの作品を手にしました。
過去500年における世界の歴史を「垂直に伸びる階層制」(国家や企業等)と「ヨコに広がる草の根のネットワーク」(革命運動やテロ組織等)の視点から捉え直した作品。広い視野と柔軟な捉え方で、ネットワークが創り変えた世界を、すさまじい勢いで発展をとげた近代文明をひも解いていき、引き込まれていきます。
と同時に、歴史を振り返る中で「今この瞬間をどのような決断と考えを持って生きるべきか?」という視点も大切ではないかと考えるようになりました。
この作品との出会いに感謝しています。
小野リサ “Fly me to Brasil ~ via Sapporo ! “ 小野リサ
『ポートレイト・イン・ジャズ』 村上春樹/著
コメント村上春樹さんの素敵なエッセイと、イラストレーター和田誠さんが描く
ジャズミュージシャンの肖像画も楽しめる一冊です。ページをめくりながらスマホですぐにそのアルバムを調べ、聴いてお楽しみいただける素敵な一冊。ぜひみなさんにも楽しんでいただきたいです。
アーティストの著者本
『ジャズのある風景』
山中千尋/著(晶文社)
世界で活躍する日本人ジャズピアニストが、ニューヨークのジャズシーンへの想いとそれをとりまく人々と日常をユーモアあふれる文章で綴る。
サッポロ・シティ・ジャズからのおすすめ本
『デヴィット・ストーン・マーティンの素晴らしい世界』
村上春樹/著(文藝春秋)
1940年代~50年代にかけて活躍したデザイナー、デヴィット・ストーン・マーティンの描いた魅力的な名盤レコードジャケットデザインの世界を、ジャズに造詣の深い村上春樹が、収録された曲と共に軽快に読み解く。観て聴いて楽しむ一冊。
図書・情報館のおすすめ本
『至宝のジャズ・ドラムを聴け!』
小宮勝沼/選・文・編集・監修 ほか(シンコーミュージック・エンターテインメント)
ジャズを奏でる楽器としてトランペット・サックスはもちろんのこと、ドラムの音色は欠かせないもの。そんなドラムに焦点をあて名盤を紹介し、“グルーヴ”なリズム革新の歴史がこの一冊に詰まっています!