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札幌時計台LIVE2020 11月19日(木)出演 立石照さんインタビュー

今回、札幌時計台LIVE 2020 に神奈川から出演する立石照(たていしあきら)さんは、7月にサッポロ・シティ・ジャズが開催した「パークジャズライブコンテスト ON WEB」無観客ライブにファイナリストとしてソロピアノで出演されました。
個性的なTake the A train の演奏が印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
時計台ライブ本番を前に、音楽やこれまでの経験などについてお話を伺いました。


■Take the A train は、ON WEB の視聴者の方から「こんなアレンジはじめて」などの声も多く寄せられました。アレンジや作曲の際に大切にされていることはありますか?

ジャズに限らず音楽はもちろん、絵や本の気に入ったものや自分の体験、景色を音にすることを考えています。この作品にもいろいろなアイデアを次々に入れたので、走る列車から見える景色がどんどん変わるような印象を持たれた方もいるかもしれません。弾くたびに、毎回少しずつ変化していっているとも思います。ニューヨークの留学時代にお世話になったレジー・ワークマン(b)は「ジャズは白いキャンバスに絵を描くようなもの」と言っていました。大きなコンセプトと細かいアイデアを常に往復して音楽を作るようにしています。


■パークジャズライブコンテストは今回が2度目のエントリーでしたね。

2012年にトリオでファイナリストになりました。今回はコロナの影響で4月にニューヨークで予定していたソロピアノとピアノトリオのレコーディングができなくなり、練習を重ねていたTake the A train で、自分の音楽活動の宣伝のため、有名なジャズフェスティバルに出演したいと思い応募しました。


■芸術の森での無観客ライブの収録での演奏はどうでしたか。

園内が広く、道に迷って汗だくでした。野外ステージは、緑豊かで、スイスのインターラーケンのウイリアムテル野外劇場のようでした。DJのタック・ハーシーさんの声が周囲に溶け込み、紹介されたときは気持ちよかったです。でも客席に誰もおらず逆に緊張しました。


■立石さんは脱サラしてニューヨークに留学、さらにクルーズシップでの演奏という経験を積まれたそうですね。

海外には、学生時代から留学やバックパッカーでの旅行などを通じて関心があり、大学卒業後は貿易関係の仕事に就きました。働きながらピアノの勉強を続けていたときに、岡本太郎の本にあった「人生で難しい道と、平易な道があれば、必ず難しい方を選べ」という言葉に感銘を受け、本場ニューヨークでジャズピアノを本格的に学ぶ決心をしました。

ニュースクール大学では、専門的な授業はもちろん、レジ―・ワークマン(b)、ベニー・パウエル(tb)、ジュニア・マンス(pf)などのジャズのレジェンドと一緒の時間を過ごせたことは、かけがえのない体験になりました。特に、ジョン・コルトレーンのベーシストだったレジ―・ワークマンには、大学のオーディションの時から本当にお世話になりました。卒業リサイタルは悪天候でほとんど人が来なかったのですが、彼は来てくれたのです。

ニューヨークは冷たい都市、という印象でしたが、実際に住んでみると「お節介で、親切な人が多い街」でした。日本にいると私は心が冷めているような状態だったのですが、人の温かさというものの大切さを再認識させられました。

卒業後の進路にまずクルーズシップでの演奏を選んだのは、当時、ジャズの演奏を継続的に行える数少ない場だったからです。ベーシストのマイク・ボッキキオがピアニストを探していて幸運にも僕を選んでくれたのです。船に乗ると、5か月間、週に6日毎晩演奏しました。同じメンバーでたくさん演奏できることが嬉しく、また、他に同船している別バンドのアーティストとセッションすることもありました。数か月乗船してアメリカや日本に帰り、また数か月乗船、という生活を数年間続けましたが、とても良い経験になりました。


■ 今は日本でご活躍されていて、今年はコロナ禍で大変と思いますが、今後の活動のご予定をお教えください。

ソロピアノでの活動、バンドでのレコーディングを中心にしながら、英語で一般の学生にジャズの歴史や音楽理論を教える仕事なども行っていきたいと考えています。DAW(Digital Audio Workstation)にも関心があり、「不穏な空気」という作品をリリースしています。今回のコンテストでご縁ができたので、北海道、札幌での活動も展開していきたいと思っています。


札幌時計台LIVE 当日(11月19日)は、Take the A train のほか、Moanin、Spain、A night in Tunisia などのスタンダード曲、ルパン三世のテーマや最近シンクロ経験が続いているというカーペンターズのナンバーも演奏される予定です。立石さんの感性溢れるジャズを、ぜひYouTubeでお楽しみください!


【札幌時計台LIVE2020】

日時:2020年11月19日 
   1st stage 19:00 ~19:40 クラとアコとオゴーとジェームズ
   2nd stage 20:00~20:40 立石照

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