大西順子 × 石若駿 スペシャル対談

大西私から駿にひとつ質問があるんだけど、いい? 駿のような世代のジャズ・ミュージシャンたちって、なんでわざわざジャズをやってるの?
石若そういうことを考えたことはないんですけど、やっぱり好きだからじゃないですかね。僕は小学生の時にビッグ・バンドをやって、そこでみんなでひとつの音楽を作る楽しさを知ったんです。
大西でも、それが別にジャズである必要はないわけだよね。
石若そうですね。でも僕の場合は、最初に接したのがジャズだったんです。
大西私たちの頃は“本物”の人たちがまだ生きて活動してて、その本物がそこにいて、その人たちのすごい演奏を聴かされると、ロックとか吹っ飛ぶぐらい憧れちゃうんですよ。やっぱりエルヴィン(・ジョーンズ)を目の前で観ちゃうと「この人みたいになりたい」と思うわけ。でも駿たちの世代は、そういった本物の人たちを観ていないわけじゃん。だからそういった熱量が私たちの世代に比べると薄いかな、というのがこっちにも伝わってくるわけ。
石若なるほど。確かに、僕らの世代は、そういったレジェンドたちに触れるチャンスは少なかったんですけど、だからこそ、自分たちの音楽を発展させなきゃな、とは思っています。

——お二人はこれまで、サッポロ・シティ・ジャズに何度も出演されていますけど、このイベントや、札幌という場所に対して、どんな印象を持っていますか?
大西私はデビューした頃から、プロモーションなども含めて、札幌には何度も行かせていただいててますけど、毎回、いい印象しかないですね。海外も含めて、いろいろな街に行って、いろいろと苦労することも多いんですけど、札幌ではそういうことがまったくないです。あ、あとこれはぜひ載せていただきたんですけど、たしか1回目のサッポロ・ジャズ・フォレストに出演した時、髪の毛が伸びきっていたので、ホテルの近くの美容院に行ったんですよ。すると、そこの美容師さんがすごく上手で、素晴らしかったんです。私の中で過去最高のパーフェクトな仕上がりで(笑)。その美容師の方が誰だったのか、ぜひ知りたいです(笑)。

——お心当たりのある方は、ぜひ教えてください、と。
大西そう、美容師さんにとっては、突然店に来たお客だったと思うんですけど、とにかくもう、私が思ったとおりにやってくださったんです。このまま、1週間ぐらい、取っておきたいと思うくらい(笑)。

——大西さんは、昨年も出演されていましたが、そのときのステージの印象はいかがでしたか?
大西去年やらせていただいた時、会場が新しくテントになっていて、音も良くてやりやすかったので、今年も楽しみです。あと去年はちょうど、ポケモンGOが大ブームで、大通公園の所に異常に人がいて「えっ? 私のチケットを買うために、こんなに大勢の人が待ってるの?」って、一瞬胸がときめいたんだけど、単にポケモンだったという(笑)。

——石若さんはいかがですか?
石若僕は札幌出身で、サッポロ・ジャズ・フォレスト時代には、毎年、小学生のビッグ・バンドで、プロのミュージシャンの皆さんのオープニング・アクトをやっていたんです。でも高校生の時に上京したので、サッポロ・シティ・ジャズという名称になってからは、一昨年が初めての出演です。そのときに「やっと出られた」というか、すごく嬉しかったことを覚えていますね。
大西故郷に錦を飾ったわけだよね。
石若やっぱりいつもより、さらに気合いが入りますよね。

——石若さんは、高校生のときに札幌を離れて、そのとき初めて気付いた「札幌の素晴らしさ」みたいなものはありますか?
石若あります! 「店で食べるジンギスカンの美味しさ」ですね(笑)。ジンギスカンは家庭でも普通に食べていたんですけど、東京に出てきたあと、札幌に帰ってきて、初めて(外のお店で)ジンギスカンを食べに行って、その美味さに感動しました(笑)。

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